Karvonen法の計算方法と注意点

カルボーネン法の計算方法と注意点を示す電卓とハートのイラスト

Karvonen(カルボーネン)法は、安静時と運動時の心拍数から、運動の強さを考える方法です。ただし、計算結果は安全を保証する上限ではありません。心臓病がある方は、主治医や心臓リハビリ担当者と相談して活用しましょう。

目次

Karvonen法とは?

Karvonen法は、最高心拍数から安静時心拍数を引いた「心拍数予備能」を使って、目標心拍数を求める方法です。

心拍数予備能は、安静時から運動時に心拍数が増える幅を表します。主にウォーキングや自転車こぎなど、有酸素運動の強さを考える際に使います。

全体的な考え方は、心臓リハビリの運動強度の決め方も参考にしてください。

計算式と具体例

電卓と大小のハート、割合を示す円弧を組み合わせた目標心拍数の計算イメージ

目標心拍数=(最高心拍数-安静時心拍数)×係数+安静時心拍数

係数は、心拍数予備能に対する運動強度です。40%なら0.4を入れます。

必要な数値は次の3つです。

  • 安静時心拍数:十分に休み、決められた条件で測った値
  • 最高心拍数:運動負荷試験などで確認した値
  • 係数:病状や体力、検査結果から医療者が設定した値

最高140拍・安静時70拍の場合

係数0.4で計算すると、次のようになります。

(140-70)×0.4+70=98拍/分

係数0.5なら105拍/分です。医療者が0.4~0.5を指定した場合、この例では98~105拍/分が計算上の目安になります。

これは説明用の例であり、あなたの運動目標ではありません。また、「最高心拍数の40~50%」とは計算方法が異なります。

最高心拍数と係数の注意点

年齢からの予測をそのまま使わない

「220-年齢」で最大心拍数を見積もる方法がありますが、実際の値には個人差があります。心臓病や薬の影響もあるため、予測値だけで運動目標を決めないでください。

自分で限界まで運動して最高心拍数を調べることも避けましょう。検査については、CPXでわかることと検査の流れで紹介しています。

係数は全員同じではない

ガイドラインには心拍数予備能の40~60%などを用いる方法が示されていますが、心不全や運動開始直後などでは、より低い強度を検討します。病気や回復段階に応じて設定するため、係数は担当者に確認しましょう。

薬や不整脈がある場合は?

β遮断薬は心拍数の上がり方を抑える薬です。服用中は、服薬条件を踏まえた評価が必要になります。心拍数を上げるために薬を減らしたり、中止したりしないでください。

次の場合も、心拍数だけで運動の強さを決めることが難しくなります。

  • 心房細動などで脈が不規則
  • ペースメーカーを使用している
  • 運動しても心拍数が上がりにくい

目標に届かなくても、無理に速く歩く必要はありません。薬や機器の設定が変わったときは、目標の見直しを相談します。

心拍数と体の反応を合わせて確認

心拍数を確認する腕時計、会話を表す吹き出し、体調を記録するノート

運動中は、息切れ、疲れ、会話のしやすさも確認します。きつさを6~20で表す「Borg(ボルグ)指数」では、12~13程度、心不全では11~13程度が目安に使われますが、個別の指示を優先してください。

胸痛、強い息苦しさ、めまいが出たら、目標心拍数の範囲内でも中止します。強い胸痛が続く、安静でもひどく息苦しい、失神する場合は119番へ連絡してください。

詳しくは、運動を休む・中止する症状と相談の目安をご覧ください。

新人理学療法士は、計算に使う検査の条件・中止理由・服薬状況を確認し、目標心拍数と中止基準を区別して説明しましょう。

よくある質問

スマートウォッチを使ってもよいですか?

記録の参考になりますが、動きや不整脈で表示がずれる場合があります。表示だけで運動の強さを上げないでください。

目標に届かないと効果はありませんか?

心拍数だけでは効果を判断できません。時間や頻度も含めて相談しましょう。自宅でウォーキングを始める方法も参考になります。

まとめ

Karvonen法は、最高心拍数と安静時心拍数の差に係数を掛け、安静時心拍数を足す方法です。使う数値と係数は医療者に確認し、症状やその日の体調も合わせて運動を調整しましょう。

医療情報に関する注意事項

本記事は一般的な情報であり、個別の診断や運動処方に代わるものではありません。運動の開始・変更は主治医や医療専門職へ相談してください。

情報確認日:2026年10月15日

参考資料

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この記事を書いた人

理学療法士(2021年免許取得)。心不全療養指導士(2022年取得)、心臓リハビリテーション指導士(2023年取得)。循環器領域で心臓リハビリテーションに従事し、専門的な内容を患者さんやご家族、医療職・学生にもわかりやすく解説しています。

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